便秘からくるいろいろな症状
便秘は、大きく分けると2つの状態があります。
十分な量の便が排出されなくなった“排便回数や排便量が減少”した状態と、トイレでスムーズに便が出なくなった“排便困難”を感じる状態です。
もちろん、この二つが混在することもあります。
軽症から重症まで便秘の程度は様々ですが、日本人の10~20%の人が便秘であると考えられています。
便秘を病気として認識せず、ご自身の判断で市販薬による治療を繰り返す“かくれ便秘”に悩む人も少なくありません。便秘は体質の問題なので病気ではないと思っている人も多くいますが、便秘にはさまざまな症状があり、時には重大な病気が隠れていることもあります。
まずは便秘を知ることが大切です。
正しい生活習慣を心がけ、ここちよい毎日を目指しましょう。
便秘の主な症状
- 排便が週に3回未満
- 硬い便、または兎糞状便(ブリストル便形状スケール1、2)
- 便の量が少ない
- 排便後の残便感
- お腹が張る
- 腹痛・下腹部の不快感
- 強くいきまないと排便できない、または、いきんでも排便できない
どうして便が出ないのでしょうか?
便秘の発生には2つの原因があげられます。
ひとつは、便の硬さや形状がわるいことです。もう一つは、腸の動き(ぜん動運動)が低下していることです。腸のぜん動が弱くなると便が大腸を通過しづらくなってしまいます。それが慢性化すると大腸の感覚がにぶり、便がたまっても便意を感じにくくなるため、さらに便秘が強くなります。
便秘の主な原因
- 日常の水分摂取量が少ない。
- 大腸で過剰に水分が吸収され、便が硬くなる。
- 大腸の動きが弱く、直腸まで便が運ばれにくい。
- 便意を我慢する習慣により、直腸の排便反射が弱まる。
- 過度の小食や、ダイエットなどによる食事制限。
- ストレスによる大腸ぜん動運動の低下。
- 他の病気により、便秘症状が起こることもあります。
便秘症の治療
便秘の症状や原因はさまざまです。治療法もその症状により異なります。便秘の治療では、食事などの生活習慣の改善、お薬の服用、腸内環境の改善を期待するプロバイオティクス療法などがあります。
大腸洗浄により一度腸内環境をリセットさせ、もう一度一から腸内環境を整えるというやり方はとても有効だと考えます。
正しい生活習慣を心がけましょう
便秘を改善する第一歩は、食環境や生活習慣を見直すことです。これは便秘の治療だけでなく、再発の予防にもなります。
角に排便の量やトイレの回数にこだわり、ストレスを感じるのはよくありません。お通じは人それぞれです。まずは、ちょうどよい硬さの排便をめざしましょう。
- 食生活を見直しましょう
-
- しっかり3食取る(特に朝食は大切)
- 適度な水分摂取
- 食物繊維が多く、脂肪分が少ない食事を
- 腸内細菌バランスを改善する
- 電解質やビタミンを取る
- 生活習慣を見直しましょう
-
- 生活リズムは規則正しく
- 睡眠時間は十分に
- 便意が起きたら我慢せず、すぐトイレに行きましょう
- 適度な運動をし、その後は休息を取りましょう
- 自分の時間をつくり、リフレッシュしましょう
便秘薬を正しく服用しましょう
便秘薬にはさまざまな種類があります。ご自身の判断で市販薬を常用し、症状を悪化させてしまう方も少なくありません。また、重大な病気がかくれている場合もあり、今後の生活に大きく影響を与えることもあります。 医師の指示に従い、症状にあったお薬を処方してもらいましょう。